【Interview】 Vol.00 人柄フィール誕生について

人柄を感じられた瞬間から、
お互いの関係性にうれしい変化が起きたという経験はありませんか?

ただ、人柄を感じられるまでには、少し時間がかかってしまいます。
もし、お会いする前に感じられていたら、
同じ言葉でも違って聞こえたかもしれない…

そんなことを考え始めたのは、3年前のことです。
母の闘病中の出来事がきっかけでした。

その後、コロナ禍での出会いによって「人柄を見える化」するプロジェクトは大きく動き出し、
現在、介護施設など「個の力」が必要とされる場で、その取り組みが始まっています。

【「感じる」という選択肢】

子どもを預ける保育園や施設。
親のお世話をお願いする医療機関や、介護施設。

そんな施設選びの際、参考にできるものと言えば…
目や耳で確認できるモノや、コトのみです。

でも、本当に知りたいのは、
大切な家族のことを安心してお任せできる職員さんがいらっしゃるかどうか。
つまり人柄の良い人がいらっしゃるかどうか?ではないでしょうか。

それなら、プロフィールがあるじゃないか。そういうご意見もあります。
しかし、安心材料とまではいきません。なぜなら、本人発信の情報だからです。

例えば、「人柄」は、受け手側が感じるものです。
そしてさらに、感じ方は人それぞれ、自由です。

「知る」のとは少し違う、「自らが感じる」という選択肢。
これを判断材料として活かすことはできないかと思いました。

そうだ!「人柄を見える化」すればいい!!

生まれつき持っている資質は「性格」。
人柄は経験(歴史)によって形成されます。
それなら、人生の一コマを切り取って「見える化」すれば、
自然と人柄が感じられるのではないかと考えたのです。

そして最初に「見える化」しようと書いたのが、こちらです。

 

⇒ 「出かける前の30秒」の写真

 

これに、ナレーションをつけて動画にすれば、気軽に楽しく見ていただけるのでは?!

さっそく、以前からご縁のあった介護施設へ提案してみました。
すると、すぐに理解を示してくれたのです。
ご利用者さんや、そのご家族にとっての安心につながる…という判断でした。

さぁ、これから!…というときに、コロナ。
文章化するための対面インタビューが難しくなってしまい、中断を余儀なくされました。
イメージは出来上がっているのに、
前に進めない状況に何とも言えないもどかしさを感じていました。

ところが、この中断が功を奏します。

コロナ禍でSNSを頻繁に活用するようになり、学生時代の友人と再会したのです。

その友人は、
人柄が伝わるとても素敵なエッセイを書くライターさんになっていました。

友人の書いたエッセイを読ませてもらったときのこと…。
会っていなかった25年間の歩みが、感動と共に一瞬にして伝わってきたのです。
あのときの衝撃は、今も鮮明に覚えています。

そのエッセイがこちら。ライターとしてのキャリアを積むきっかけとなった作品です。

 

⇒ 「トマトのマリネ」本に掲載された写真

 

【対談: 人柄フィール誕生まで】

多田 (ゆーこ)
「このトマトのマリネを書こうと思ったんは、どうしてなん?」

田中 (つつ)
「あのなぁ、いいことがあったときって、写真撮って残すやん?
ところが、このときは、娘にとってつらい出来事やったから、写真は撮られへんかったんよね。
ただ、私としては、娘の頑張りを何かに残したいと思ってん。
華々しい結果じゃなかったとしても、
親にとっては娘が主役。文章を書くのが好きやったから、これを書いたというわけ。」

多田
「いやぁん、これまた素敵なお母さんやん。
そうそう、このエッセイを読ませてもらったことと、
ライターさんをしてるっていうことを聞いて。
しかも、ご遺族に取材して故人の人柄を偲ぶお礼状を書いてるって…。
この再会は、神様からの贈り物に違いない!!運命の再会やん!って。」

田中
「いや、私もびっくりしたで。ゆーこから、
人柄を見える化の話を聞いたときは。似たような事業で『自分史を書く』っていうのがあるやん?
あれは、自分の生きた記録として残すためのものやけど、
ゆーこはそれをコミュニケーションツールとして活用しようとしてる。
斬新なアイデアやなと思った。私は普段から非対面で取材をしてるねんけど、その話にも食いついてたよな(笑)」

多田
「そうそう、オンラインで取材は衝撃的やったわ。
ほんだら、施設に行かんでも、できるやん!?って。
ほんでも、考えてみたら、私たちも大阪と香川と離れたところに居ながら、
一度もリアルで会ってないよね。オンラインだけでコミュニケーションとって、
たった2か月で、完全に止まっとった介護施設でのプロジェクトをスタートさせたもんね。」

田中
「ほんまやなぁ(笑)。ものすごいスピードやったなぁ。
思いが一緒なんと、イメージが共有できてたてから、話が早いっていうか、
次々、アイディアがわいてきて…。そうや、ネーミングもこの過程でできたやんね。」

多田
「そうや、覚えてる?最初、人柄ミエールにしようかって(笑)」

田中
「確かにわかりやすいけど、ちょっとベタ過ぎた(笑)。」

多田
「プロフィールと、人柄フィール…。ええネーミングやわ。」

田中
「うんうん。プロフィールと、人柄フィールの違いって、
自撮り写真と、プロのカメラマンが撮った写真やと思うねん。
プロに撮ってもらった自分の表情って、新しい発見あるやん?」

多田
「あるある。私、こんな顔するんやとか、ちょっとええやんって、思うことあるわ(笑)。」

田中
「そやな。(笑)人柄フィールって、自分発信のプロフィールみたいな売り込み感がなくって、
じわっと、静かに、ほんでも確実に見た人の心に届くやん。」

多田
「そうそう、そこが新しくて、素晴らしいとこやと思う!!
自然に人柄を感じてもらうから、人柄フィール…。人柄ミエール、超えたな(笑)。」

田中
「超えてる(笑)。去年の12月から、
介護施設の職員さんにインタビューしてるけど、それぞれのエピソードから、感じるよ、人柄。」

多田
「うんうん。仕上がってきたエッセイを読ませてもらうたびに、
じわーっと、私なりの自由な感覚で勝手に感じてる。
優しい人やなぁとか、信頼できそうな人やなぁとか、
芯の通った強い人やなぁとか。もちろん、見る人によって感じ方は違うとは思うけど、確かに人柄が見える感じ。」

田中
「コミュニケーションの道具として使ってもらうから、長文はあかんのよね。
思い出満載のエピソードを短文のエッセイにぎゅぎゅっと凝縮させるのが、難しいねん。
着地点を決めるのに毎回悩むよ。でもな、何気なく口にされた言葉の中に、思いがけなく『おおー!』と
思わせるヒントがあったりして。そこが醍醐味かな。」

多田
「そうそう。仕上がったショートエッセイを、直接ご本人に確認してもらう場面に立ち会ったとき、
その人の読んでる表情がものすごく素敵やったん。見せてあげたかったわぁ。
ほんで、読んだ後、これ私のエピソードなんやけど感動した…って言うてたで。
それ見て、プロのカメラマンが撮った写真の話じゃないけど、新しい自分に出会うこともできるんやって、確信した。」

田中
「それはうれしいなあ。それって、人柄から出会うってことやんな。」

多田
「そうそう。人柄を知ってから、ご対面。そのあと、プロフィールを知る…っていう、
新しい人間関係の築き方やから。あ、婚活とか、いいかも。人柄婚活!ってどうやろ。」

田中
「それ、いいね。その他にも、
「生産者さんの顔が見える野菜」をさらに進化させて、「生産者さんの人柄が見える野菜」とか。
今、介護施設の職員さんに人柄フィールを作ってるけど、利用者さん自身の人柄フィールがあったら、
お互いに理解が深まって心地良い関係が作れるんちゃうかなぁ。」

多田
「うんうん。既存のプロフィールと同じくらい、
人柄フィールが一般的に使われようになったら、もっと早くもっと優しい人間関係が作れるね。
そうなったら、コロナ禍で人との距離感に大きな変化があったとしても、心の距離はむしろ近くなるかもしれんって思う。
人柄フィールを通じて、人が優しくて、人に優しい社会が創れたら、最高」

◆Interviewのコーナーの登場人物紹介は、「食」にまつわる人柄フィール(動画)です。
一回目は、人柄フィールを生み出した私たち二人です。
ぜひ、ご覧ください。

『最後の晩餐』 多田祐子(ゆーこ)

取材後記
P.S.エリー(田中恵里)です

ゆーこは短大時代の友人。当時から、明るく飾らない人柄が魅力的でした。家族のお笑い担当だったのもうなずけます。卒業後、喪中ハガキでお母様が亡くなられたことを知りましたが、実はこんなドラマがあったなんて。「ガンは良い病気かもしれない。」そう語る彼女は、走り切った清々しさに溢れた表情をしていました。

『トマトのマリネ』 田中恵里(つつ)